書類選考で「伝わらない」もったいなさ
転職活動を始めたころ、私は履歴書と職務経歴書を作るだけでかなりの時間を使いました。
しかし最初の応募では、書類選考で次々と落ちてしまいました。
「自分の経験が足りないのか…」と思いかけましたが、実は**“書き方”で損をしていた**のです。
同じ経験でも、「どう伝えるか」で評価はまったく変わります。
職務経歴書は「事実+成果+気づき」
職務経歴書は、単なる経歴の羅列ではありません。
採用担当者が知りたいのは、「どんな仕事をしてきたか」だけでなく、
**「どんな成果を出し」「そこから何を学び」「次にどう活かせるか」**という点です。
書くときの3つのポイント
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| ① 事実 | どんな仕事を担当したか(部署・役割・期間) |
| ② 成果 | どんな結果を出したか(数値・具体例) |
| ③ 気づき | その経験から学んだこと、次に活かせる力 |
たとえば、私の場合は中小メーカーの営業職としてこう書きました。
実例:営業職時代の職務経歴書(一部)
勤務先:〇〇工業株式会社(従業員300名・資材メーカー)
担当業務:
- 法人営業(主要取引先は大手メーカー・大手商社など)
- 新規開拓・既存顧客フォロー・見積作成・納期調整
主な実績:
- 年間売上を前年比120%に拡大(担当エリアでトップ)
- クレーム対応をきっかけに、顧客満足度調査を社内提案 → 新規受注増加につながる
- 部下3名の育成・同行営業を担当
学んだこと・活かせる強み:
- 小規模企業ならではの「少人数で結果を出す」営業スタイルを身につけた
- 顧客との長期的な信頼関係づくりの大切さを実感
- 今後は、より社会貢献性の高い業界(医療・福祉など)で経験を活かしたい
エージェントから教わった“伝わる書き方”
転職エージェントの担当者に言われて印象的だったのが、
「“できること”ではなく、“やってきたこと”を書きましょう」
でした。
多くの人は「コミュニケーション力があります」「提案力に自信があります」といった抽象的な表現を書きがちですが、
採用側は“具体的な事例”でその力を見たいのです。
たとえば、こう変えるだけで印象が変わります👇
| 悪い例 | 良い例 |
|---|---|
| コミュニケーション力があります | クレーム対応後、顧客との関係を再構築し、追加発注を獲得 |
| 提案力に自信があります | 価格競争を避ける提案を行い、粗利率を5%改善 |
書類は「ストーリー」でつながる
履歴書・職務経歴書・面接はすべてつながっています。
つまり、**職務経歴書は面接で話すための“台本”**でもあります。
私は、職務経歴書を完成させた後に声に出して読み上げ、
「自分の言葉で説明できるか」を確認しました。
書類と話の内容が一致していれば、面接でも自然と説得力が出ます。
まとめ:数字とエピソードが“信頼”を生む
職務経歴書は、ただの「職歴の記録」ではなく、
あなたという人間を伝えるプレゼン資料です。
- 数字(成果)で信頼を生む
- エピソード(経験)で人柄を伝える
- 気づき(学び)で成長意欲を示す
この3つを意識するだけで、選考通過率が格段に上がります。
次回予告:第4話「未経験業界への挑戦 ― 医療法人への転職」
次回は、私が全くの未経験だった「医療法人」への転職体験をお話しします。
なぜ異業種を選んだのか、どうやって内定をもらえたのか。
未知の業界へ飛び込むときに感じた“壁と突破口”を、実体験でお伝えします。
