こんにちは、とほ夫です。
私は30代後半のときに、勤めていた会社が民事再生の手続きを取りました。
資金繰りが悪化し、経営判断のミスも重なって、もう自力では会社を続けられない状況でした。
ニュースでよく聞く「倒産」という言葉。
でも、実際にその渦中にいた私にとっては、想像していたよりずっと現実的で、そして厳しい出来事でした。思いもかけず会社は消滅することなく事業は継続されました。倒産なのに会社は継続?
この記事では、そんな私の経験を交えながら、倒産の意味と種類、そして民事再生の実際をやさしく解説します。
倒産とは?
「倒産」とは、会社が支払いを続けられなくなり、経営を維持できなくなることを指します。
つまり、お金が回らなくなってしまい、事業を続けるのが難しくなった状態です。
法律上「倒産」という言葉に明確な定義はありませんが、実際には以下のような状態をまとめて「倒産」と呼びます。
- 資金繰りが行き詰まった
- 支払いが滞り、信用を失った
- 事業を継続できず、清算や再建の手続きを取る
倒産の主な種類
倒産と一口に言っても、実はいくつかの種類があります。
大きく分けると**「法的倒産」と「私的整理」**の2つです。
法的倒産(裁判所を通す手続き)
- 破産
すべての財産を清算し、会社を解散する手続きです。
経営の継続はできず、会社は「消滅」します。 - 民事再生
借金を減らして再建を目指す手続きです。
中小企業が多く利用し、事業を続けながら立て直すことができます。
私の会社もこの「民事再生」を選びました。 - 会社更生
大企業向けの再建手続きで、裁判所の管理下で経営を再構築します。
有名企業の再建時にニュースで聞く言葉です。
私的整理(話し合いによる解決)
裁判所を通さず、銀行や取引先と直接交渉して債務を整理する方法です。
手続きが早く、世間に知られにくいのがメリットですが、関係者全員の合意が必要です。
私の会社が民事再生になった理由
私の会社が民事再生に至った原因は、資金繰りの悪化と経営判断のミスでした。
- 借入金の増加により、利息負担増加
- 先行投資が重なり、現金が不足
- 「もう少し頑張れば持ち直すはず」と判断を先延ばしにした
その結果、資金が回らなくなり、自転車操業状態に陥りました。
倒産直後のあのときの空気の重さは、今でも忘れられません。
民事再生の手続きと現実
民事再生は「再建を目指す制度」とはいえ、現場は大変です。
- 裁判所への申立て
- 債権者(銀行・取引先)への説明
- 再生計画の作成と承認
- 事業の立て直し
私たち社員も、お得意先を一軒一軒まわって説明しました。
「もう取引できません」と言われるたびに胸が痛くなり、
「本当に再建できるのか」と不安になる日々でした。
それでも「完全な終わり」ではなかった
破産なら会社はなくなりますが、民事再生では事業を残せる可能性があります。
私の会社も事業を続ける決断をし、社員の雇用は保証されました。
もちろん全員が残ったわけではありません。
私自身も最終的には別の業界へ転職しましたが、
「やり直せる」という希望を持てたのは、この制度のおかげだと思っています。
倒産は「人生の終わり」ではない
倒産を経験した当時は、「もう終わった」と思いました。
でも、振り返ると、あの出来事が自分の生き方を見直すきっかけになったと感じます。
仕事も、会社も、確かに大切です。
でも、倒産しても人生は続く。
むしろ一度リセットされたことで、心の余裕が生まれました。
まとめ:倒産を経験して気づいたこと
倒産は、会社にとっても社員にとっても大きな出来事です。
でも、それは「終わり」ではなく、「転機」にもなり得ます。
- 倒産とは、会社が支払い不能になり経営が続けられなくなること
- 種類には破産・民事再生・会社更生・私的整理がある
- 民事再生は再建を目指す制度
- 倒産を経ても、人生は何度でもやり直せる
もし今、倒産や再建で悩んでいる人がいたら――
焦らず、現実を受け止めながら、次の一歩を考えてみてください。
私もそうやって、少しずつ前に進みました。
