会社が倒産したあの日。
私自身も含め、誰もがこれからの生活に不安を抱えていました。
「仕事はどうなる?」「この先食べていけるのか?」
胸の奥がずっとざわつき、前を向こうとしても気持ちがついてこない——あの感覚は今でもよく覚えています。
しかし、時間がたち、ふと周りを見渡してみると、同じ経験をした仲間たちはそれぞれの場所でしっかりと自分の道を切り拓いていました。
今回は、倒産を共に経験した3人の同僚の“その後”を紹介したいと思います。
倒産を目前に不安でいっぱいだった私に、「人生は一つじゃない」と教えてくれた人たちです。
1.会社に残り、親会社の部長へ──“会社を立て直す側”へ進んだ男
倒産後も会社に残るという、ある意味いちばん覚悟のいる選択をした同僚。
当時は再建先の方針も見えず、先のことを考えるほど不安ばかりが募る状況でした。
それでも彼は「最後までやり切りたい」と言って残りました。
その思いが評価されたのか、再建後は親会社に移り、今では部長職。
社内では「いずれ倒産した会社に戻り、社長になるのでは」という噂まで流れているほどです。
倒産を経験した人間だからこそ見えるものがある——
そんなことを背中で示しているような存在です。
2.引き抜きで転職 → 独立して飲食業へ──苦労しながらも“楽しそうに”生きる男
倒産直後、同業他社から声がかかり、すぐに転職した同僚もいました。
ただ、聞くところによると、その会社はどうにも肌が合わなかったらしく……
数年後に思い切って独立。
選んだ道は、まさかの「飲食店経営」。
経営は決してラクではなさそうです。
それでも店に立つ彼の表情は、倒産前よりずっと明るい。
自分のペースで、自分のやり方で、商売を楽しんでいるように見えます。
成功だけが人生じゃない。
好きなことを軸に、自分の“ちょうどいい暮らし”を作る道もある。
そう教えてくれる存在です。
3.倒産後にふらっと自由時間 → 社労士事務所へ → 開業独立した男
倒産直後、真っ先に退職した同僚もいます。
独身だったこともあり、しばらくは旅行をしたり、一人の時間を満喫したり……
あの余裕は正直うらやましかったほどです。
その後、資格取得に本気で取り組み、社労士として事務所に就職。
そしてつい最近、自分の事務所を開業しました。
倒産をきっかけに、人生の方向を少しずつ、しかし確実に変えていったタイプです。
「倒産があったから、今の私がある」
そう笑って話す姿は、私にとって一つの理想像です。
◆倒産は“終わり”ではない。人は何度でも立ち上がれる
倒産を経験した当時、私たちは確かに不安でした。
未来が見えず、焦りと恐怖ばかりがあったのも事実です。
けれど今振り返ると、あの出来事が“人生の転機”になったのは間違いありません。
残る人、飛び出す人、遠回りする人——
選んだ道は違っても、3人とも前を向いて歩き続けています。
倒産はつらい出来事です。
でも、そこで人生が止まるわけではありません。
むしろ、その後の生き方次第で、想像よりも豊かで面白い未来が開けることだってある。
同僚たちの姿を見るたびに、私はそれを実感します。
